スポーツドライビングの醍醐味は、何といってもブレーキングに尽きます。
ここぞとブレーキングを敢行してノーズを沈め、むずかるリアをステアとアクセルでコントロールする。
こうしたエキサイティングな操作に呼応するブレーキシステムとして、私たちはこのキャリパーの開発に心血を
注ぎ込んだのです。金型から設計し、アルミ精密鋳造法による対向4ピース・モノコック構造とし、
異径サイズピストンを採用、鍛造キャリパーサポートをボディに深くインサートさせナックルとしっかり締結しました。
これによりハブナックルとキャリパーは、ブリッジの役割を担うキャリパーサポートによって支えられ、
全体の剛性が向上、引きずりトルクの低減とパッドの耐偏磨耗にも効果を発揮します。
迫り来るコーナー手前で、決意に満ちたハードブレーキングにより
リアを旋回させるという自在なドライビングが可能なのです。
真のブレーキングをマスターすれば、本物のスポーツドライビングを求める
ドライバーの魂は、さらなる自由の高みに達することでしょう。
走りの本質を見すえてモノづくりを進めるスプーン。
すべてのパーツはそこから生まれます。
- ローターの有効径と蓄熱性の関係
キャリパーの仕様はローターの有効径、厚さ(蓄熱量)で
決まります。ローターサイズはリムで決まるので、
私たちは15インチリム用にツインブロック、
16インチ用にモノコックキャリパーを開発しました。
ここでは主にモノコックキャリパーについて解説します。
- キャリパーピストンの異径サイズ解析
パッドの応力解析によって面圧分布の最適バランスを
求めました。これにより介入側の耐偏磨耗効果が得られ、
介出側との面圧バランスも設計上で調整しました。
また、こうした机上の解析テストと並行して
ドイツ・ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの
参戦など実走テストにおいても
経験とデータ収集を重ねてきました。
- ボデーの構成と設計意図
このキャリパーの特長は、ボディをアルミ鋳造にして
軽量化をはかり、設計の自由度を獲得、専用機で
追加工を施したことです。さらに、対向異径サイズの
ピストン採用により、過酷な環境下でのパッドの
面圧バランスの最適化も実現しました。
また、ブレーキング操作の微細な液圧変化に
対応して、ピストンの戻り方向でのノックバック量、
特性などブレーキングの質感向上も
繰り返しトライしました。
- ボデーCAE解析図
スプーンが実走テストを重ね、ブレーキメーカーNISSNが
キャリパーボディのCAEをはじめ各種の解析を行う。
そんなパートナーシップのもと開発は進められました。
開発現場ではドライバーが求めるブレーキングの味や
質感など、情報の共有化が重要。
タイヤ、リム、駆動方式、ローターサイズ・パッドの
磨耗材の選択などテスト項目は多岐に渡り
困難を極めました。
- 介入、介出での設計解析図
ありえないほどの高負荷状況もテストしました。
図はそのような走行条件をシミュレートした
キャリパーの応力分布の接線力を表しています。
ボディの肉抜きで通風させるなどユニークな試みを
経ながら、最終的には剛性と軽量化のバランスを
手堅くまとめた製品として完成しました。
- ボデーはモノコック構造
モノコックボデーの外側(円周部)を切り取つた
CAD図です。ボディの加工フロー、
ピストンサイズ、ブレーキ液の油路等々、
キャリパー全体のレイアウトが見てとれます。
- キャリパーパーツ構成図
キャリパーリペア用パーツリストです。
パーツリスト、価格表はキャリパープロダクトに
掲載しましたのでオーダー時にご覧下さい。
- モノコックキャリパーセット AP1
2.6kg(Std 4.7kg)
材質 : 高強度アルミ鋳造
構造 : 高強度一体モノコック構造
ピストンサイズ : 40.46φ+36.12φ
ブラケット、専用取付ボルト付
- ■商品名: モノコックキャリパーセット(Reverse)
■商品番号:
- ■商品名: モノコックキャリパーセット(Forward)
■商品番号: